買う気にさせるディスプレイ

町のレストラン街や飲食ビルの中を歩くと、いろいろなサンプルケースに出会う。古ぼけた
小さな箱型のショーケースから人目を引く美しいショーウインドーまで様々であるが、
効果的なディスプレーがなされている店は少ない。

ある駅ビルの食堂街で食事をしようと、レストランのサンプルケースをのぞいてみた。
最初の店は、ケースの中の蛍光灯の片方が切れている上に何となくアンバランスでやぼったい。料理がおいしそうに見えず、その割に値段は高く、また待たされそうにもみえる。

次は民芸調の和食点で、ケースの中には漁師たちが使う古い道具を置いて、時代を感じさせる効果を出そうとしていたが、皿に載せたサンプルの魚にほこりがかぶっていて、
その鮮度感のなさに驚かされた。

最後の店は新しく開店したばかりなのか店が輝いて見える。商品が赤いもうせんの上に25度の傾斜をつけて並べてあり、そのうしろにソフトドリンクが適度な感覚で置かれている。ショーウインドーも磨かれていて気持ちがいい。お客様が選ぶのに分かりやすく、
親しみやすいディスプレーがされている。





この駅ビルでは結局、一店舗を除いてこれといったサンプルケースがなく、ぜひ店に入って食事をしたいとは思えなかった。ことほどさように、効果的なディスプレーができている店は少ない。

では、ディスプレーはなぜするのか。お客様に料理を見せ、選んでいただくためである
だから、どんなに安い料理を売るとしても、商品の価値が下がってしまうようなディスプレーでは意味がない。時勢にあっていて、店の商品や方針にマッチしたディスプレーでもありたい、そしてなりよりも、お客様に楽しく選んでいただけるディスプレーにしたい。

ファミリーレストラン、ディナーレストラン、カジュアルレストランの有名店のサンプルケースは、他店よりも垢抜けていてモダンである。ある和食専門店のショーウインドーも凝っていて、赤いもうせんを敷き、御所車に盛りだくさんに飾られている、女性客ならその場に一瞬、たたずんで見とれるほどである。

ディスプレーで必要な事は、お客様の興味をそそるようになっていることである。ディスプレーされた料理のフェースが、お客様に向かって”食べてください”という訴える力を持っていることである。

外から入店するお客様にとって店の外観(ファサード)に親しみやすさとか、珍しさという親近感がわかないなら、他の店でもよくなってしまう。だから、サンプルケースの中から
訴え、料理を食べたくさせなければならない。








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